1995年8月11日フジテレビ系金曜エンターテイメントの枠で放映された2時間スペシャルドラマ。本編約90分。「リング」最后の映像作品。結末や平地の設定などごく一局部を除けばほぼ原作に忠実な映像化作品。主人公浅川役の高橋克典と平地役の原田芳雄の好演により、ホラーに加えて謎解きサスペンスの雰囲気が強い作品となった。浅川和行の妻静は妊娠中であり、故に子供（娘の陽子）は生まれておらず、また平地竜司は既婚者となり、妻殺しの容疑をかけられたのを浅川に助けられた過去がある設定となる。透視の研讨を行っており、自身にもわずかに超才干者としての要素を持ち、高野舞との関係は先生と助手と強調されている。山村貞子は後年の映画版で描かれた『長髪を振り乱して井戸から這い出し、クネクネ動きながら襲いかかる異形の化け物』という印象が十分に強いが、本作では原作どおりに「半陰陽者の美しい少女」として描かれ、悲劇的な運命故に世を呪うようになった薄幸の女性という経緯も再現されている。貞子を演じた三浦綺音は裸体を惜しげもなく披露し、「美しい殺人幽霊」を体当たりで演じた。また、呪いのビデオの内容も原作の描写をほぼ忠実に再現している。クライマックスで貞子が、抱いていた赤ん坊を高野舞の胎内に挿入するシーンは、続編「らせん」の制造を連想させる演出だったが、本作の続編としての「らせん」は現在まで制造されていない。ビデオは、放映時にカットされたシーンを復元し、「リング完全版」のタイトルで発売された。
